人によって性格が変わる、という言い方をすると、少し違う気もする。
性格が丸ごと入れ替わるというより、いつもの自分が出たり、出なかったりする。
友達といるときの私は、よく話す。
ふざけるし、相手を笑わせようとしたくなる。
会話が止まっても、別に気まずくない。
この状態が、比較的「いつもの自分」に近い。
でも、初めて会う人を前にすると、その自分が急に出てこなくなることがある。
だからといって、単純に初対面が苦手なのかというと、それだけでもなさそうだった。
仕事なら、初対面でも話せる
仕事では、初対面の人とも普通に話せる。
仕事だから、話す内容がある。
それに、仕事だから、この人と話してもいいという感覚もある。
何を話すかと、何のために話すかが比較的決まっていると、私は動きやすいらしい。
ところが、同じ仕事関係でもパーティーのような場になると苦手になる。
交流すること自体が目的になると、急に何を話せばいいのかわからなくなる。
仕事の人なら平気、初対面なら無理、というきれいな分かれ方ではない。
自分でも、そこがちょっと不思議だ。
美容院に行くと、急に大人しくなる
わかりやすいのが、美容院にいるときの自分だ。
美容師さんに話を振られたら返す。
でも、自分から特に話したいことはない。
普段ならもう少し普通に話せるはずなのに、なぜか話し方まで変な感じになることがある。
ぎこちなくなったり、どもったりする。
そして美容院を出たあとに、
なんであんな話し方になったんだろう
と振り返る。
ただ、いつもの自分がうまく出てこなかった感じだけが残る。
どう見られるかが、めちゃくちゃ気になる
初対面の人からどう見られるかは、めちゃくちゃ気になる。
変な人だと思われないか。
つまらない人だと思われないか。
感じが悪いと思われないか。
距離感がおかしいと思われないか。
どれかひとつではなく、全部気になる。
友達といるときは、そこまで一つひとつ考えない。
ふざけたいときはふざけるし、話したいことがあれば話す。沈黙しても、そのままでいられる。
初対面になると、私の中では何かを言う前に「これはどう見えるんだろう」が入っているのかもしれない。
それで考えすぎて、普段よりよくわからない話し方になっているのかもしれない。
人によって性格が変わるというより、関係によって自分が変わる
こうして並べてみると、相手そのものだけで自分が変わっているわけでもない気がする。
友達なら、よく話してふざける。
仕事なら、初対面でも話せる。
美容院では、大人しくなる。
仕事関係でも、パーティーになると苦手になる。
同じ相手でも、何をする関係なのか。ここで何を話していいのか。どう見られるのか。
少なくとも私の場合は、そういうものまで含めて、自分の出方が変わっているのかもしれない。
そう考えると、「どれが本当の自分なんだろう」と聞かれても、やっぱりひとつには決めにくい。
できれば、いつも通りでいたい
どんな自分も自分だから、それでいい。
そんなふうに、きれいに終われたらいいのだけれど。
できれば、初対面でも友達といるときのように自然に話せた方が楽だと思う。
たぶん次に美容院へ行っても、私はまた少し大人しくなる。
そして帰り道で、
なんでいつも通りにいかないんだろう
と思う気がする。
答えは、まだよくわからない。
ただ、「私はこういう性格」とひとつに決めるより、「この人といるときの自分はこうなる」と見てみると、自分のことが少し見える気もする。
これを読んで、
自分もだわ。わかる。
と思う人がいたら、それで十分だ。
