節約するなら、まず節約しないものを決める。
節約の話をすると、まず固定費を見直そうと言われる。
家賃。
通信費。
保険。
サブスク。
毎月出ていくお金だから、少し下げるだけでも年間では大きな差になる。
それはたしかにそうだと思う。
でも、自分の場合、家賃だけは単純に「安ければ安いほどいい」とは思えない。
たぶん、家にいる時間が長いからだ。
家賃は、下げれば下げるほどいいのか
家で過ごす時間が短い人なら、住まいは「寝る場所」に近いのかもしれない。
でも自分は、かなり家にいる。
アニメを見る。
動画を見る。
何かを考える。
アプリを作る。
ぼーっとする。
一日の中で、家にいる時間がかなり長い。
そう考えると、家賃はただの固定費というより、
毎日過ごす時間の質に払っているお金
に近い。
だから、家賃を1万円下げられるとしても、その代わりに毎日少しずつ居心地が悪くなるなら、本当に得なのかはちょっと迷う。
年間で見れば12万円。
もちろん大きい。
でも、その12万円と引き換えに、365日ずっと小さなストレスが増えるなら。
それは「12万円節約した」とだけ言っていいのか、少し分からなくなる。
私は、部屋より静けさにお金を払っている。
住まいで一番大事にしたいものを考えると、自分の場合は防音性だった。
豪華な設備がほしいわけではない。
新築じゃないと嫌というわけでもない。
むしろ、設備や築年数は少し希望を落とした。
でも、静かなことは削りたくない。
外の音や隣の生活音が気になりにくい。
そして、自分の出す音も必要以上に気にしなくていい。
もちろん、爆音でテレビを見たいわけではない。
普通の、良識的な音量でアニメや動画を見る。
ただそれだけのことを、
「これ、隣に聞こえてないかな」
と毎回気にしなくていい。
自分にとっては、それがかなり大きい。
夜にアニメを見ているとき。
深夜にひとりで黙々とアプリを作っているとき。
家の中でまで周りに気を遣わず、自分の時間に集中できる。
たぶん私は、
部屋そのものより、静かに過ごせる時間に家賃を払っている。
全部を良くしようとすると、家賃はいくらでも上がる
とはいえ、家賃はいくら高くてもいい、という話ではない。
当然、自分の中にも「ここまでは出せる」という上限がある。
駅から近い。
広い。
築浅。
設備が新しい。
日当たりがいい。
防音性も高い。
全部そろえようとすれば、家賃はいくらでも上がる。
だから結局、どこかでは選ばないといけない。
自分の場合は、設備や築年数を少し落として、そのぶん静けさを優先した。
別の人なら、駅から近いことかもしれない。
広いキッチンかもしれない。
お風呂かもしれない。
逆に、
「家は本当に寝るだけだから、できるだけ安くしたい」
も全然ありだと思う。
大事なのは、全員が同じところを削ることではない。
節約するとき、全部を少しずつ削らなくてもいい
節約というと、
外食を減らす。
サブスクを減らす。
安いものを選ぶ。
家賃を下げる。
みたいに、「使っているお金をどこまで減らせるか」を考えがちだ。
でも、それを全部やると、生活の中から好きなものまで少しずつ薄くなっていく。
だったら先に、
ここだけは削らない。
を決めてもいいのかもしれない。
住まいには使う。
その代わり、ほかのところでは少し抑える。
旅行には使う。
でも服にはそこまで使わない。
食事には使う。
でも最新のガジェットには興味がない。
人によって、その場所は違う。
節約しないものを決めるというのは、浪費する理由を作ることではない。
むしろ、
何にお金を使いたいのかを、自分で決めること
なんだと思う。
安さだけで決めなくてもいい
物価が上がっている。
家賃も上がる。
毎月の固定費は、できるだけ抑えたい。
そう思うのは自然だ。
自分も、使えるお金に上限がないわけではない。
だからこそ、
なんでも一律に安くするのではなく、
どこなら削れて、
どこは削りたくないのかを考える。
自分にとっては、それが住まいだった。
その中でも、静かに過ごせることだった。
夜にアニメを見ながら、
音量を気にして何度もリモコンに手を伸ばさなくていい。
深夜に何か作っているときも、
周りを必要以上に気にしなくていい。
その時間が毎日あるなら、
そこに少し多くお金を払うのは、自分にとってはそんなに悪い使い方ではない。
節約するなら、
まず、
節約しないものを決める。
そのほうが、自分が何にお金を使いたいのか、少し分かりやすくなる気がしている。
